心が不安定なときほど「甘いもの」が欲しくなる──
こんにちは。「薬を飲ませたくない薬剤師」安田ひろふみです。
今回は、「甘いものがやめられない」という悩みに寄り添いながら、ストレスと砂糖の関係、そして「4毒」の視点から体と心を整える方法をお伝えします。
「甘いものがやめられない原因」や「東洋医学から見た体の声」、そして無理なく甘いものと付き合う工夫について、薬剤師の視点からやさしく解説します。
甘いものがやめられない…これって異常?
「お菓子を食べると落ち着くけど、その後に自己嫌悪になる」
「毎日甘いものを食べてしまい、やめられない自分が不安」
こうした声は、心療内科に通っている方からもよく寄せられます。
しかしこれは、決して“おかしい”ことではありません。
むしろ、体と心の両方が「エネルギーが足りない」とSOSを出している状態。あなたが悪いわけではないのです。甘いものを求めるのは、ストレスや体の不調からくる自然な反応なんです。
ストレスが引き起こす「甘いもの依存」と血糖値の乱高下
ストレスを感じたとき、体は一時的にエネルギーを奪われたような状態になり、私たちの脳は手っ取り早く元気になれる「甘いもの」を欲しがります。
現代の甘いもの──ジュース、カフェオレ、ラテ、スイーツ、炭酸系の“元気が出そうな飲み物”──これらには、果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)や人工甘味料が多く使われています。
一時的には気分が上がっても、そのあと急激に血糖値が下がり、イライラや不安感が強まる「血糖値スパイク」を引き起こす原因になります。
東洋医学で見る「甘いものを欲する体のサイン」
東洋医学では、胃腸の働きが弱って「疲れやすい・だるい・甘いものを欲する」状態を「脾虚(ひきょ)」(=脾(ひ)が弱っている)といいます。
冷たい飲み物や常温以下の食品を日常的に摂っていると、胃腸に負担がかかり、栄養が吸収されにくくなり、心身ともにエネルギー不足に。
結果として、甘いものでエネルギーを補おうとするのです。
【実例】甘いもの依存から抜け出せた女性のケース
以前、心療内科に通われていた30代の女性がこんな相談をくださいました。
「仕事から帰ると、夕飯よりも先に、コンビニスイーツに手が伸びてしまうんです。
甘いものを食べている間だけ、気持ちが落ち着くような気がして…でも、あとで自己嫌悪になるんです。」
この方は、朝食抜きや冷たい飲み物の習慣があり、体が冷え切っている状態でした。
そこで、温かいスープやおかゆなど“胃腸に優しい食事”に切り替え、甘いものも果物や甘酒に置き換える工夫を提案。
すると、気持ちの浮き沈みも和らいできたそうです。
「甘いもの」は4毒のひとつ。避けるべき“甘さ”とは?
私は、「甘いもの・小麦粉・植物油・乳製品」を“4毒”と呼び、健康を乱す原因として提案しています。
特に「甘いもの」は、果糖ブドウ糖液糖や人工甘味料の過剰摂取が問題です。
一方で、和三盆や黒糖など、昔ながらの自然な甘さは、適量であれば心を癒してくれる存在でもあります。
「自分を壊す甘さ」と「癒す甘さ」の違いに気づくことが、心身を整える第一歩です。
甘いものと“ちょうどいい距離感”を見つけるコツ
「甘いものをやめなきゃ!」と思うほど、余計に欲しくなってしまうもの。
だからこそ、無理せず、できる工夫から始めましょう。
- お菓子を買い置きしない
- 空腹時は、まず温かいスープやおにぎり
- 甘いものを果物や甘酒に置き換える
- 「1日1個だけ外で食べる」ルールを決める
“やめる”ではなく、“距離をとる”という考え方が、心にも優しいのです。
自分を責めないで。甘いものを欲するあなたへ
甘いものがやめられないあなたは、決してだらしないのではありません。
がんばってきた心と体が、癒しを求めているだけなのです。
私たち薬局では、「4毒を減らして、薬を減らす」サポートを行っています。
誰にも言えない気持ちや、日々の小さな不安──
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次回予告
「病院の指導と4毒の矛盾。どっちを信じればいいの?」
医療の現場で戸惑うことの多いこのテーマについて、薬剤師の視点からお話しします。
きっと、あなたの迷いが少しでも晴れるきっかけになるはずです。
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