甘さのワナに気づいていますか?
最近、「砂糖は控えています」という人が増えています。実際、日本人の砂糖消費量は年々減少傾向にあります。しかしその一方で、糖尿病、脂肪肝、メタボリックシンドロームといった生活習慣病はむしろ増加しています。
その原因のひとつが、「砂糖よりも怖い甘さ」とされる果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)です。
果糖ブドウ糖液糖とは?
果糖ブドウ糖液糖は、とうもろこしから人工的に作られた液体状の糖分です。ジュース、清涼飲料水、スポーツドリンク、ドレッシング、菓子パン、冷凍食品のタレなど、あらゆる加工食品に「見えない甘さ」として大量に使われています。
特に注意したいのが、「表示のわかりにくさ」。以下のような表記はすべて液糖を意味します。
- 果糖ブドウ糖液糖
- ブドウ糖果糖液糖
- 異性化液糖
- 液糖
- 高フルクトースコーンシロップ(HFCS)
なぜ液糖が危険なのか?
- 吸収が速すぎて血糖・脂肪に悪影響
- 液糖は消化吸収が非常に速いため、血糖値や中性脂肪が急激に上昇。肝臓への負担が大きくなります。結果としてエネルギーがすぐ消費され、また甘さが欲しくなる悪循環に。
- 甘さ中毒を引き起こしやすい
- 満腹ホルモンの分泌を乱し、食欲のコントロールが難しくなります。集中力低下、眠気、イライラといった症状も引き起こすことがあります。
- 習慣化しやすく、やめにくい
- 毎日のように摂取していると、それが当たり前の状態に。気づいた時には「やめられない」依存状態になっているケースも少なくありません。
こんな人は要注意
以下に当てはまる方は、ぜひ生活習慣の見直しをおすすめします。
- 毎日甘い飲み物を飲む
- 間食をやめられない
- 食後すぐ眠くなる
- 中性脂肪が高め
- イライラしやすい
まずは「液糖」の表示を確認し、選ぶ習慣を身につけましょう。
健康的な代替案は?
- 飲み物
-
- 水、麦茶、無糖の炭酸水などでスッキリリフレッシュ
- 甘さが欲しいときは、果物を加えた水や、少量のはちみつを活用
- おやつ
-
- 干し芋や干し柿、小さなおにぎり、ナッツ、甘酒など
- 自然な甘みが心にも体にもやさしい選択です
まとめ
果糖ブドウ糖液糖は、体だけでなく心にも依存を作る甘さです。完全に「禁止」ではなく、少しずつ「選び方」を変えていくことが健康への第一歩です。
次回予告:「ゼロカロリーなら安心?」は本当?
次回は「人工甘味料」の落とし穴について解説します。カロリーゼロでも体に優しいとは限らない、その理由とは?
コメント 当薬局や商品へのご意見・ご感想などお聞かせください