春の体調不良はなぜ起こる?薬剤師が教える「春のゆらぎ」と東洋医学的セルフケア

こんにちは!今年の春は寒暖差が激しく、疲れやすさや体の不調を感じていませんか?春は、静かな冬から一転し、新緑がまぶしい季節です。華やかに見えますが、その裏で動植物は多くのエネルギー(熱)を必要とします。この「熱」が地表から上がることで、私たち人間も「のぼせ」「立ちくらみ」「イライラ」などの不調が出やすくなるのです。
そして時には気分が不安定になったり、悲しいことを思い出してしまうのです。

東洋医学における春と「肝」の関係

東洋医学では、春は「肝(かん)」の季節とされています。肝は、気や血の流れを整える役割を持ち、春は特に負担がかかりやすくなります。そのため、イライラや落ち込み、眠りの浅さ、めまいなどが出やすいといわれています。

春の海を眺めていると、水面からふわっと立ち昇る水蒸気に気づくことがあります。この季節ならではの自然の現れです。
私たちの体の中でも、ちょうど同じような“見えない変化”が起きているのかもしれません。
実は私の大切にしている盆栽や庭木も、春に枯れることが最も多いのです。春は植物にとっても一番エネルギーを使う時期。手をかけてあげるのを怠ると、疲れてしまうんですね。
人の体も同じように、春の勢いに振り回されすぎないよう、やさしいケアが必要だと、植物たちに教えられている気がします。

体質別:春に現れやすい不調と特徴

春の不調は、すべての人に同じように現れるわけではありません。人それぞれの体質によって、感じる辛さや不安定さなど、現れ方が異なります。

陽タイプの方(明るく元気でエネルギッシュな方)

  • 声が大きく活動的
  • 暑がりで顔が赤くなりやすい

→ 春は「のぼせ」「イライラ」「目の充血」「寝つきの悪さ」などが出やすい傾向があります。

陰タイプの方(おだやかで繊細な印象の方)

  • 寒がりで色白、疲れやすい
  • 静かで落ち着いて見える

→ 春は「立ちくらみ」「食欲不振」「だるさ」「気分の落ち込み」などが現れやすくなります。

どちらのタイプでも、春は“気が上に昇りやすくなる”という共通点があります。だからこそ、気を巡らせ、上がったものをゆるやかに下ろすようなケアが必要です。

春の不調を和らげる味方:食事の工夫

この時期、体のバランスを整えるためには、食事の工夫がとても大切です。

香りのよい野菜(しそ、三つ葉、セロリ、春菊など)

気の巡りをよくして、イライラをやわらげます。

苦味のある食材(ふき、菜の花、たけのこ)

上に昇った熱を冷まして、頭や胸の重さを軽くしてくれます。

温かく、消化のよいものをゆっくりよく噛んで

胃腸の働きを助け、「気」をしっかり作り出すための土台になります。

日々のご相談の中でも、一年を通して「胃が弱い方」がとても多いと感じます。特に、甘いものが好きな方は、胃がデリケートな証拠ともいえるのかもしれません。食べものの好みには、体からのサインが隠れていることが多いのです。

食事で補えない場合の自然素材の活用

とはいえ、「春にいいとわかっていても、毎日そういう食事は難しい」という声もよく聞きます。そこで、日々の食事の延長として、体質や季節に合った自然素材をやさしく補うことも提案しています。

スピルリナ(藻の仲間)

50種類以上の栄養素を含み、“緑のバランス栄養”と呼ばれる食材。肝の働きを助け、春ののぼせ・疲れ・気の乱れにやさしく寄り添います。

当薬局ではスピルリナ配合サプリ「楽養源」をおすすめしています。

牡蠣肉(特に“身”の部分)

亜鉛やタウリンが豊富で、気力や血の不足・胃腸の疲れに。冷えやストレスが続く方の心身を、深いところから支えてくれる素材です。

当薬局では牡蠣エキスサプリ「楽温源」をおすすめしています。

こうした自然の力を、必要に応じて無理なく取り入れることも、春のゆらぎを軽くする一つの方法かもしれません。

まとめ:自分の“声なき声”を感じながら過ごす春に

春の終わりは、自然の中でも、私たちの体の中でも、大きな変化が起こる時期です。気温の乱高下、環境の変化、気分の揺らぎ…。そんなときこそ、自分の中にある“声なき声”に耳を傾けることが大切です。

少しの食事の見直しや、穏やかな生活習慣の積み重ねが、心と体にとっては大きな支えとなります。「今年の春は、なんだか調子が狂いやすい」と感じていた方は、ぜひ今回ご紹介した食材や自然素材を、無理のない範囲で生活に取り入れてみてください。

気分が下がりやすいときは、水の流れを眺めたり、水の音を聞くことで心が落ち着きやすくなるともいわれています。自然のリズムと自分のリズムを調和させることが、春のゆらぎとやさしく付き合うヒントになるかもしれません。

次回は、予告していた「液糖」についてのお話をお届けします。どうぞお楽しみに

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