こんにちは!
これまでのブログでは、「体を鍋に例える」ことで植物油や小麦粉が体に与える影響を解説しました。鍋の焦げ付きやダマをイメージすると、体内で起こる現象が理解しやすくなりますよね。
今回は、「4つの毒」シリーズの第3弾として、乳製品を取り上げます。
「牛乳は体に良い」「カルシウム補給には牛乳が一番」と一般的に言われますが、実は日本人の体質には合わない可能性があります。今回は、乳製品を「鍋の状態」で例えながら、なぜ日本人の体に適していないのかをデータとともに徹底検証し、腸内環境・ホルモンバランス・カルシウム吸収などを分かりやすく解説します。
乳製品の影響を鍋で例えると?日本人の体への影響
- 鍋の“膜”を壊す(腸内環境の悪化)
-
牛乳やヨーグルトに含まれる
カゼインは、日本人の腸にとって消化しにくいタンパク質です。
たんぱく質は加熱すると固まりますが、特にカゼインは凝固しやすい性質を持ち、鍋でシチューやクリーム系の料理を作ると、底に膜が張り、それが焦げ付きやすくなります。
同様に、カゼインは腸内でも粘着性があり、腸の粘膜に負担をかけて炎症を引き起こしやすいのです。 -
- 腸内で粘着性を持ち、腸の粘膜に負担をかけやすい
- 腸の炎症を引き起こし、便秘や下痢の原因になる
- 免疫力が低下しやすくなり、リーキーガット症候群(腸のバリア機能低下)を招く
- アレルギーを悪化させる可能性がある
- 栄養の吸収が悪くなる
- 鍋の温度調整が難しくなる(ホルモンバランスの乱れ)
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牛乳にはIGF-1(インスリン様成長因子-1)(牛の成長を促す働きを持つ)が含まれ、これがホルモンバランスに影響を与えます。
鍋に入れる食材によって火加減が変わることがありますが、乳製品は体のホルモンバランスに影響を与えます。 -
- ニキビや肌荒れが悪化する
- PMS(月経前症候群)がひどくなる
- 血糖値の乱高下を引き起こしやすい
- 鍋の中のダマ(カルシウムの吸収問題)
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「牛乳を飲めばカルシウム補給になる」と思われがちですが、乳製品のカルシウム吸収率は意外と低いことが分かっています。
この理由として、乳製品に含まれるリンがカルシウムの吸収を阻害することが挙げられます。
鍋で粉を溶かすとき、ダマになりやすいですね? 乳製品のカルシウムは、リンやカゼインと結びつきやすく、体内で吸収しにくい特徴があるのです。
カルシウムの吸収は、日本の伝統的な食事を選ぶことで改善できます。魚・海藻・大豆製品などの和食を中心とした食生活を取り入れることで、リンの過剰摂取を抑えつつ、より効率的にカルシウムを吸収することができます。 -
- 乳製品を多く摂る国ほど骨折率が高い(例:スウェーデン、アメリカ)
- 日本の伝統食(魚・海藻・大豆製品)の方がカルシウム吸収率が高い
データで見る乳製品の影響
日本人の80%は乳糖不耐症
日本人の約80%は、牛乳の糖分(乳糖)を分解する酵素(ラクターゼ)の働きが弱い、もしくは持っていません。(出典:日本消化器病学会)
国籍 | 乳糖不耐症の割合 |
---|---|
日本人 | 約80% |
スウェーデン人 | 約2% |
アメリカ人(白人) | 約15% |
乳糖不耐症の方は牛乳を飲んだり乳製品を摂ったりすると、お腹がゴロゴロしたり下痢をしやすくなります。
乳製品と骨折率の関係
乳製品を多く摂取する国ほど骨折率が高いことが示されています。(参考:Harvard School of Public Health)
国別の乳製品摂取量と骨折率(例)
- スウェーデン:
- 乳製品摂取量が多い → 骨折率が高い
- 日本:
- 乳製品摂取量が少ない → 骨折率が低い
これは、乳製品に含まれるリンがカルシウムの吸収を阻害することが一因と考えられています。
牛乳の代わりに摂りたいカルシウム源
乳製品を控えながら、カルシウムをしっかり効率よく摂取する方法をご紹介します。
- 海藻類(海苔・昆布・わかめ)
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海藻類はカルシウムを豊富で吸収率も高い
- 小魚(しらす・いわし・煮干し)
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骨ごと食べられるので効率よく化r氏有無を摂取できる
- 大豆製品(納豆・豆腐・おから)
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ビタミンKがカルシウム吸収を促進(特に納豆はビタミンKが豊富)
- 胡麻・アーモンド
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少量でも効率よくカルシウムを摂ることができる
- 緑黄色野菜(小松菜・チンゲンサイ・ブロッコリー)
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特に小松菜は牛乳より吸収率が高いカルシウムを含んでいる
また、牛乳が苦手な人の多くが豆乳に切り替えていますが、一口に豆乳といってもさまざまな種類があります。
豆乳の選び方
豆乳には主に次の3種類があります。
- 無調整豆乳
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大豆と水だけで作られたもので、最も栄養価が高く、カルシウムやイソフラボンを豊富に含みます。
- 調整豆乳
-
飲みやすくするために砂糖や塩、植物油などが加えられたもの。牛乳の代わりに使いやすいですが、成分を確認することが大切です。
- 豆乳飲料
-
フレーバーがついているもの(バナナ味、コーヒー味など)。飲みやすいですが、糖分が多いため、健康目的なら無調整や調整豆乳を選ぶのがオススメです。
牛乳を控えつつ、無理なく続けるためには、まず調整豆乳や豆乳飲料から試し、無調整豆乳へ移行するのもよい方法です。料理に取り入れる際も、スープやスムージーに混ぜることで自然に取り入れられます。
これらの工夫をすることで、腸内環境や体調が改善する可能性があります。
チーズ・ヨーグルトと発酵食品の違い
チーズやヨーグルトも乳製品ですが、日本人の腸にとって負担になる場合があります。
発酵食品であるチーズにはプロバイオティクス(善玉菌)が含まれ、消化の負担が少ない種類もありますが、やはりカゼインや乳糖が含まれるため、日本人の腸には負担になる場合があると考えられます。
特に、熟成の短いチーズ(フレッシュチーズ)は乳糖が多く、消化しにくいため、乳糖不耐症の方には向いていません。一方で、長期熟成されたチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノやチェダーなど)は乳糖がほぼ分解されているため、比較的食べやすいと言えます。
ただし、チーズは塩分が多いため、日常的に摂りすぎると腎臓に負担がかかることもあります。そのため、発酵食品の代替として摂るなら、ヨーグルトやチーズよりも、日本の伝統的な漬物(ぬか漬けや味噌など)の方が、腸内環境に優しく、体を冷やさないという利点があります。
ヨーグルトの代わりに発酵食品を
乳製品は体が冷えやすいという特徴があります。
女性やご年配の方、運動が苦手な方は熱を作る力が弱いので体が冷える乳製品は特に気を付けて下さい。冷え性の方や体を温めたい方には、日本の伝統的な発酵食品がオススメです。発酵食品には麹菌・乳酸菌・酵母菌などが豊富に含まれており、腸内環境を整え、体の冷えを防ぐ効果があります。
- ぬか漬け・味噌・納豆
-
日本の伝統的な発酵食品で、腸内の善玉菌を増やす効果がある
- 発酵梅干し・醤油麹
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塩分と発酵の力で腸を整えつつ、体を温める効果も期待できる
- 甘酒(ノンアルコール)
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米麹由来の甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれ、エネルギー補給と腸活に最適
発酵食品は、単に腸内環境を整えるだけでなく、日本人の食文化や暮らしに深く根付いた伝統でもあります。昔から続く発酵技術を活かし、現代の食生活にも取り入れることで、健康的な体作りができます。
まとめ:乳製品は日本人の体に合うのか?
乳製品は、日本人の体にとって以下の影響を与える可能性があります。
- 鍋の膜を壊す = 腸内環境の悪化(リーキーガット症候群)
- 火加減を乱す = ホルモンバランスの乱れ(PMS・ニキビ悪化)
- ダマになりやすい = カルシウム吸収率の低さ(骨折リスク増加)
「牛乳を飲むのが当たり前」と思っている方も、一度食生活を見直してみませんか?
次回予告:「砂糖が体に与える影響とは?
次回は4つの毒シリーズの最後「砂糖」について詳しく解説します!
- 砂糖は太りやすいだけ?
- 砂糖がもたらす体への影響?
- 甘いものがやめられない理由とは?
お楽しみに!
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